忠犬園児にあの備忘録

楽することに全力になりましょう

やばそうな雰囲気の人が本当の意味で本当にやばかった話

あらすじ

時は半月前に遡る。比較的早期に現場に配属になった私は、現場は配属後早々にその時の彼女とお別れをし、病んだ気を晴らすために目の前の仕事に没頭し、視察に来た役員に「楽しいですよ」というやいなや「変態!」と笑われつつ、いわゆる”ランナーズハイ”のような状態となり、仕事のことだけを考えている忠犬社畜としてなぜか新人に渡すわけのないタスクを渡されていた。そんな充実していた毎日を送っていると、一通のお知らせが来る。”楽しいキャンプのお知らせです。”下請け派遣会社の僕は、あったことのない社員も多いわけで、これを機に私はいろんな人と喋って視野を広げるなり、たまにはアウトドアなことをして気分を晴らそうと心をワクワクさせてキャンプに参加した。その頃の彼はこんな闇を知ることになるなんて知る由もなかった。

 

ファーストインパク

キャンプ場に到着し、いろんな人にご挨拶。するとある先輩がそこにいた。

「君がH君?」

そこには太った外見に肉に埋もれて細くなっている目つき、チェックのシャツにジーパンという、いわゆるアキバにいそうなキモオタのような外見の一人の先輩がいた。

「君のことはよく聞いているよ!僕は情報屋みたいなもんでさ、君の同期の子が話題にしていたからね。一度話してみたかったんだよ!」

外国籍の人が主体の勤務先(標準語は日本語)で、日本の先輩がいて少し安心した。果たしてどんなことを話していたのか。現在の私もまだ知らない事である。どうやら現場に先だった私と入れ替わりで本社にカムバックしたそうな。入社して2年目に突入したまだまだ若手の新人であるそんなこんなでいろいろ話したのだ。過去の話、現場の話、プライベートなことから家庭のことを私に打ち明けて相談まで持ち掛けられた。ここで私は違和感を感じたのである。

(初対面でなんだろうこの距離感の明らかな狭さは...)

私は話を聞きつつ話しつつ、多少よけつつ喋る。社内キャンプのイベントで集合がかかる。違和感2回目。

(執拗なくらいについてこられる...)

そういう距離感の人もいるからなあ、と思いつつ、親しみは警戒に変わっていく。

「2回目の現場ではね~」

違和感3つ目。

(なんでそんなに現場を点々としているのだろう...)

何か理由がある。現場移動は次で4回目に差し掛かるそうな。彼の実力とかではなく、何か違う原因があるとを感じ取ったのである。警戒は疑惑に変わる。

セカンドインパクト

BBQの時間(夕飯)も終わりを迎えつつ、役員の方や同期の社員たちと話しつつ、あまり本社研修の時に離せてなかった中国人女性の同期の社員と現場の様子やドラマを熱く語る。「大変なところに配属になったと聞きましたが本当に大変なんですね^^;」「Hは大丈夫だよ、丈夫だしさ!」私「今の現場には大変だけど満足しているよ!楽しいよ!」その話の最中には私と一緒に現場に行った法事で来れない同期の話も交えて団らんとしていた。が、

その場にはもちろん彼もいる。まるでスキを伺うかのように。

それはまるで好きな子が他の男子と仲良くしゃべっているのを見ている思春期の男子のように。

夕飯を終えキャンプファイヤー。はしゃいだり、談笑したり。自由に過ごしているのである。彼は私をとうとう捕まえたのである。会話の流れもあってかこういう話題。

「あ、あのさ、、、君の同期のあの子に僕と喋ってて楽しかったか聞いてみてよ、、、」

季節は夏、暑いし、お酒も入ったころ、まるでその様子は好きな子に話しかけられないシナニク野郎がうじうじしている姿そのままだった。汗をだらだらと流し、息は荒い。そんな状態で私に、私の同期女性社員(病欠)にそのように伺ってみてくれと要望があった。違和感というか感づいた。

「(自分で聞けばいいのに...)」

私「いいですよ。聞いてみますね。」

彼は執拗に画面をのぞき込もうとする。私もさすがに言った。

「人の個人lineをのぞき見って悪趣味ですよ~^^;少し離れてください^^;」

返信。まるで恐ろしいものを比喩するかのようなスタンプ。真を置いてスクリーンショット。先輩から離れる。ついてくる。

私「トイレにまでついてこなくても道わかるので平気ですよ。すぐに戻りますので。」

スクリーンショットの内容を確認、目を疑う。

 

「週末楽しめました?」

「おはよう!二日酔い平気?」

「発言場どうだった?」

「今終わったよ!お話したいけど時間あります?」

「近況とか知りたいな!」

 

そう、一回も返信していないのにツイッターなどの様子を見ながら一方的に送られたメッセージの痕跡であった。率直な感想は一つ。気持ちが悪い。

「ターゲットを標準に入れてスイッチ」を何発も外した、綾波も事後に笑えばいいといっても笑えない回数である。疑いは確信に変わる。彼は生粋のストーカー気質だった。駅まで一人だと思ってたら何事もないように後ろに気が付いたらいたこともあったそうな。

とりあえず先輩には「あまり執拗に送るのは良くないのでやめてください。事情はわかりました。」と伝え、その趣旨を同期社員に送る。互いの肩を持ちますよと最大限の”良い人”の外面を構え、仲介の立場を手に入れ、やりたい放題の立場を手に入れた。情報屋を自称するならこの情報を仕入れなかったのは失敗だろう。

”私に情報のアドバンテージを与えてはいけないこと”

彼はこの時点で私の手のひらの上で遊ばれるおもちゃと化した。

午前3時半まで先輩のその相談事や愚痴に付き合わされる私。いい加減離してほしかった私はまるでお茶漬けを作り出すかのように、「トイレに行きたくなってきました。時間も時間なので御開きにしましょう。」そして別れた...と思ったが私の眼はもうごまかせない。

彼は20Mほど横でひたすら平行移動している。

本当にトイレに行きたかったのでトイレへ。早く済ませたいので早く済ませた。彼は部屋に戻っていた。私は周囲を警戒して部屋に戻る。AM4:00、同期は当然寝ていた。

 

サードインパクト

彼はその後も私に相談したいことがあるとのことでSNSを交換した。そして戦術の相談事が続く。青山テルマがライブでBメロらへんでポエムを謡うように、クソポエムを連打する。彼はもう連絡も取りあいたくないと思っている元カノでもない相手に伝わるかどうかは相手次第だけど謝罪文を送るといった。私はやめたほうが良いと忠告、自分の伝えたいことだけを伝えるのがコミュニケーションではなく、相手の気持ちにもなるべきだと。本心だった。彼は興奮している。まるで自分の推しメンがディスられたドルオタのように興奮している。聞く耳を持たない。私は先輩に自己満足の謝罪宣言をされた。自慰を見せられた気分になった。

私は何かあるまえに事前に私に連絡をするように連携、場合によってはとるべき行為をとり、人類補完計画を進行しなければならない。その後の彼はどうなったかは分からない。

 

After Story

そしてこのまま年が過ぎ、また来年、新入社員が入社して社員旅行に胸をときめかせていることに違いない。

キャンプ場に到着し、いろんな人にご挨拶。するとある先輩がそこにいた。

「君が〇〇君?」

そこには太った外見に肉に埋もれて細くなっている目つき、チェックのシャツにジーパンという、いわゆるアキバにいそうなキモオタのような外見の一人の先輩がいた。

その頃の彼はこんな闇を知ることになるなんて知る由もなかった。